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1999.8 シイーム No.85
そこにある音楽 24 「ホール」 中原 敏雄
より
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大津、キラキラ光る琵琶
湖をバックに、同じように
輝いている二つの建物が見
えます。
昨年秋に完成した「シド
ニーのオペラハウス風」の
『びわ湖ホール』です。大
・中・小の三つのホール、
そして四面舞台の最新機構
を備えています。
開館記念事業は、総勢3
00人規模、イタリアのポ
ローニヤ歌劇場の引っ越し
公演でした。
開館前、ホールの開設準
備局長は「ゴルフや飲み代
に5万円かかっても平気な
のに、オペラは贅沢だって。
若者にどんどん心の栄養を
とってほしい」と語ってお
られます。正論とは思いな
がら、1万円を超える入場
料は、年金頼りの私たちに |
は手が届きません.
このホールの年間維持費
は20億円、自主事業で3億
円程度はまかないますが、
残りの17億円は県民の税金
からの持ち出しです。なら
ば、年に一度くらいは、県
民の無料招待日があっても
良いのにと思うのは、貧乏
人のひがみでしょうか。
『びわ湖ホール』の目的
は、日本にオペラ文化のす
そ野を広げることだそうで
す。でも、年に一度でも行
けたら良いとするこんな
ホールよりも、それだけの
お金をかけて、子どもの減
った学校の講堂などを改造
し、近くの人たちと生徒た
ちの音楽会やお芝居が、し
ょっちゅう開かれる小さな
ホールにするほうが、文化
が根付くのではないでしょ
うか。 |
近くに『酒游舘』という、
300年前に創業された酒
屋さんの、古い酒蔵を改造
した多目的スペースがあり
ます。50人も入れば満席で
すが、そこで、クラシック
から出発し、現在はフリー
ジャズの分野で活躍中の、
バール・フィリップスさん
のコントラバスの演奏を聴
きました。
昔、杜氏さんたちが歌う、
酒造歌が響いたであろう高
い天井に、コントラバスの
音が広がります。無伴奏の
即興演奏は、さまざまな音
で、私たちを楽しませてく
れました.
美味しいお酒が幕間に振
る舞われたから言うのでは
ありませんが、気軽に普段
着で楽しめる、こんなホー
ルがいっぱいできたらなと
思いました。
(ハイタウン・うえまち
マネージャー) |
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文責;西村明
各アーティストの承諾を得て写真を掲載しております
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